116.角(109から
2009年9月17日 日常 ブラックワイバーン。その名の通り黒い鱗を持つ翼竜である。
角のような派手な装飾は無く、他のドラゴン種と比べれば細身なほうに分類される。だがヤミハルの"フリオニール"は小さなビルほどのサイズがあり、羽を広げれば相当なサイズになる。
ドラゴンテイマーであるヤミハルのパートナーであり、ヤミハルが【黒翼】と呼ばれる由縁でもあるその竜は、ヤミハルを押しつぶすはずだった落石をその体で全て受け止めた。
「ジャ、ジャス!ななな 何あれ!?」
「黒翼、ブラックワイバーン、だ。
……呼ばれる前にケリをつけたかったんだがな」
ヤミハルだけでも、3人がかりの上に奇襲に奇襲を重ねてやっと追い詰めた、追い詰めることができた、ただそれだけ。
この状況でフリオニールに対して成す術が無いのは火を見るよりも明らかだった。
「話には聞いていましたけども、僕も初めて見ました。あれが黒翼竜…
…障害物がほとんど無い開けた空間、致命的ですね」
リペノは呟きながらあの怪物に勝つ可能性を模索するが、出てくるのは無駄な希望だけ。
もしここが狭っ苦しい建物の中なら。もしここがビルが立ち並ぶ街中なら。
"もし"は何も意味を成さない。巨大な翼竜の動きを抑えられる要素は、この洞窟には一つたりとも存在しなかった。
(【メデューサ】を使うにしても、あの巨体…相当近づかないと。それこそ、本当に眼前まで)
当の黒竜は首を地面近くまで降ろし、ヤミハルによって喉を撫でられていた。
ぐるるると鳴きながら、気持ち良さそうにしている姿はまるで猫のようだったが、断じてそのようなかわいらしいものでは無い。
「さあ…遊びは終わりだ」
ヤミハルは撫でる手を止め、慣れた手つきで首に登りあがった。
「いや、違うな。
ここからは、フリオの遊びの始まりだ!」
「オオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!」
フリオニールは喜びの咆哮を上げ、羽を大きく広げ、そして自らの獲物に飛び掛った。
角のような派手な装飾は無く、他のドラゴン種と比べれば細身なほうに分類される。だがヤミハルの"フリオニール"は小さなビルほどのサイズがあり、羽を広げれば相当なサイズになる。
ドラゴンテイマーであるヤミハルのパートナーであり、ヤミハルが【黒翼】と呼ばれる由縁でもあるその竜は、ヤミハルを押しつぶすはずだった落石をその体で全て受け止めた。
「ジャ、ジャス!ななな 何あれ!?」
「黒翼、ブラックワイバーン、だ。
……呼ばれる前にケリをつけたかったんだがな」
ヤミハルだけでも、3人がかりの上に奇襲に奇襲を重ねてやっと追い詰めた、追い詰めることができた、ただそれだけ。
この状況でフリオニールに対して成す術が無いのは火を見るよりも明らかだった。
「話には聞いていましたけども、僕も初めて見ました。あれが黒翼竜…
…障害物がほとんど無い開けた空間、致命的ですね」
リペノは呟きながらあの怪物に勝つ可能性を模索するが、出てくるのは無駄な希望だけ。
もしここが狭っ苦しい建物の中なら。もしここがビルが立ち並ぶ街中なら。
"もし"は何も意味を成さない。巨大な翼竜の動きを抑えられる要素は、この洞窟には一つたりとも存在しなかった。
(【メデューサ】を使うにしても、あの巨体…相当近づかないと。それこそ、本当に眼前まで)
当の黒竜は首を地面近くまで降ろし、ヤミハルによって喉を撫でられていた。
ぐるるると鳴きながら、気持ち良さそうにしている姿はまるで猫のようだったが、断じてそのようなかわいらしいものでは無い。
「さあ…遊びは終わりだ」
ヤミハルは撫でる手を止め、慣れた手つきで首に登りあがった。
「いや、違うな。
ここからは、フリオの遊びの始まりだ!」
「オオオ゛オ゛オ゛オ゛オ゛!」
フリオニールは喜びの咆哮を上げ、羽を大きく広げ、そして自らの獲物に飛び掛った。
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