110.器(111から)
2009年2月18日 日常(ははっ!やっぱクサモチはすげー、すげーな!お姉さんとはまた違った強さがある!)
ウルトンのテンションはうなぎ登り。
(だけど、俺も負けてない、ついて行けてる!互角だ!最初は触れることもできなかった、あのクサモチと、互角!)
ここらでピークを迎え
(……あれ?この後どうしたらいいんだ、もう作戦ないぞ?)
急降下した。
もうウルトンには次の手が用意されていなかった。水、水、炎と裏をかいた3段構えの攻撃で、油断も突いた。ウルトンにしてはとてもよく出来た作戦。だがそれですでにネタ切れになっていた。
勝てるビジョンが見えてこない。ウルトンが何とかしようと頭を引っ掻き回しているとき、すでにクサモチは詠唱に取り掛かっていた。
「行くぞ……」
それは今までの省略されたものではなく、長い長い力の込められた詠唱。手のひらで電気と水とが混ざり合い、球体になった後平たく伸ばされ、黄色と青でマーブルを描いた槍状の物が出来上がった。
「【グングニル-TW】」
クサモチは指を少し動かした。たったそれだけの動作で魔法槍は勢い良く投げられた。風を切り、一直線にウルトンに向かう。
ウルトンは【水衣】を張ろうとし、止めた。そもそも間に合うかどうかも怪しいものだし、意味がほとんど無いことを知っていたからだ。
混合魔法は防ぐのが難しい。魔法には相性があり、その種類によって相殺しやすさも違ってくる。炎を水では消すことは出来るが、雷では消すことが難しいように。
混合魔法はつまり、一つの器に様々な種類の魔法がぶち込まれている状態だ。もし一種類の魔法を消すことが出来ても、次の瞬間には別種の魔法が襲い掛かる。【水衣】のような特殊防御魔法でも、2種類以上の属性を持つものは防ぎきれないようになっている。
だから混合魔法を消すには、圧倒的物量で消失させるか、こちらも混合魔法で応じるしかないのだ。しかし、ウルトンにはもうそんな猶予は残されていなかった。目前まで迫る魔槍。
(避け切れない……!!)
自身を守るため、本能で突き出した両手。
その手は幸運にも、全ての魔力を消し去る効果を有していた。
【ゼロ:B】 対象魔法、消失
ウルトンのテンションはうなぎ登り。
(だけど、俺も負けてない、ついて行けてる!互角だ!最初は触れることもできなかった、あのクサモチと、互角!)
ここらでピークを迎え
(……あれ?この後どうしたらいいんだ、もう作戦ないぞ?)
急降下した。
もうウルトンには次の手が用意されていなかった。水、水、炎と裏をかいた3段構えの攻撃で、油断も突いた。ウルトンにしてはとてもよく出来た作戦。だがそれですでにネタ切れになっていた。
勝てるビジョンが見えてこない。ウルトンが何とかしようと頭を引っ掻き回しているとき、すでにクサモチは詠唱に取り掛かっていた。
「行くぞ……」
それは今までの省略されたものではなく、長い長い力の込められた詠唱。手のひらで電気と水とが混ざり合い、球体になった後平たく伸ばされ、黄色と青でマーブルを描いた槍状の物が出来上がった。
「【グングニル-TW】」
クサモチは指を少し動かした。たったそれだけの動作で魔法槍は勢い良く投げられた。風を切り、一直線にウルトンに向かう。
ウルトンは【水衣】を張ろうとし、止めた。そもそも間に合うかどうかも怪しいものだし、意味がほとんど無いことを知っていたからだ。
混合魔法は防ぐのが難しい。魔法には相性があり、その種類によって相殺しやすさも違ってくる。炎を水では消すことは出来るが、雷では消すことが難しいように。
混合魔法はつまり、一つの器に様々な種類の魔法がぶち込まれている状態だ。もし一種類の魔法を消すことが出来ても、次の瞬間には別種の魔法が襲い掛かる。【水衣】のような特殊防御魔法でも、2種類以上の属性を持つものは防ぎきれないようになっている。
だから混合魔法を消すには、圧倒的物量で消失させるか、こちらも混合魔法で応じるしかないのだ。しかし、ウルトンにはもうそんな猶予は残されていなかった。目前まで迫る魔槍。
(避け切れない……!!)
自身を守るため、本能で突き出した両手。
その手は幸運にも、全ての魔力を消し去る効果を有していた。
【ゼロ:B】 対象魔法、消失
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