44.会2

2007年3月10日
ちょうど今は衆とシムシの間あたりの海岸だろう。
船も出ていないようだ。当たり前といえば当たり前だが。
移動する方法を全く考えていなかった。さて、どうしよう。まさか泳いで行くわけにもいかないし……
「ん?」
森から男が一人出てきた。肩に何かを担いでいる。
どうやら海に向かっていたようだが、俺がぼーっと突っ立ってるのを見つけたのかこっちに向かって走ってきた。
 
「よー!ウルトン!久しぶりだなぁ!
 乗ってけよ、案内するぜ!」

俺は記憶障害の持病はない。こんな奴に会った覚えは無い。
ネーム:確認:グィンセイミ、やっぱり知らん。というか変な名前だな。

「おらどうしたよ!俺達の仲だろう?乗れって!」
乗れ って一体何に乗れというのか。
「うるせーな、誰だよテメェ。新手のマルチ商法か?この変態が」
変態という描写は間違ってはいないと思う。
青いだぼだぼジーンズによれよれのランニングシャツ、短い赤髪を後で縛っている。
左肩にはへんてこな機械を担ぎ上げて、背中にはツルハシらしきもの。肩掛けのボックスを備えている。

「チッ」
今チッって言ったよなこいつ?

「あーそうだよ、お前なんかしらねえよ。
 まぁいい。そんなことはどうでもいい。
 お前向こうの島に渡る気ないか?連れてってやるぞ」

こいつも離れ島に行くのか?おいしい話なような気がするがなにやら胡散臭い。
何よりもこんな会話が支離滅裂な奴と一緒にいたくない。

(―知らない土地に行って、いろいろな物をみて、様々な人に出会って、
 ―そこから自分だけの、大切なものを感じ取るんですよ)
 
 
……付き合ってみるか。

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