43．END，START

お姉さんが去ってから1日後、ザクロとポチ（と集落の人たち）に簡単にお礼を言って俺はステラを出発した。
目的地は衆とシムシの東側にある離れ島だ。
何故そんなところに行くのかと言うと何となくであり、大きな理由はこれといって特に無い。
ただ、ステラで買った地図を見て少し不思議に思ったから、というのは理由の一つになるのかもしれない。
Liveにある国、カイド・衆・シムシ。
この3つの国がそれぞれ領土争いをして決着がつかなかったから中立国が生まれたという。
じゃあこの所々に存在するどの国にも属さない場所はなんなんだ？
特に向かう場所も無いし、すこし興味が湧いたので手始めに一番近いところにある無所属地帯に向かったわけだ。

それにしても本当に今の衆はギスギスしている。
赤銅色裸人に合うたびに「名を名乗れ！」と武器を突きつけられて脅される始末だ。
ステラで内乱の事情については簡単に教えてもらったが、こんなにひどいものだとは思わなかった。
おかげで歩いている途中に襲われそうになるし、馬車の利用もうまく出来ないしで大変だった。

馬車の運行が無くなってからは基本的に海岸沿いに移動した。
海辺にはモンスターが居た。（そういえばカグツチ以外でモンスターというものを一度も見たことが無い気がする）
カニやエビなどの海産物を多少グロテスクにして混ぜ合わせたようなそのモンスターは低級モンスターだったようで魔法を当てるとすぐに動かなくなった。
雷魔法で痺れさせた後火あぶりにして喰ってやろうとしたが、その前に消え去り殻と硬貨を落としていった。
ドロップという奴だろう。落とすなら身を落とせ。

そんなこんなで数日過ごす内に離れ島まであと少しの位置に来ていた。