42.去

2007年3月10日
確かに人や本から知識を吸収することは早急な魔法の上達につながる。
けれども自分の力だけで魔法というものを理解していくことによって
新たな自分だけの道を開くことができる。
そのためには師匠である自分が傍にいてはどうしても俺自身だけの力を発掘することはできない。
 
 
「ウルトンさんがこのLive世界でやりたいことは何ですか?」
長い説明が終わった後、ふと思いついたようにお姉さんはその言葉を付け加えた。
俺のやりたい事?目標、Live開始当初からそれは変わっちゃいない。
「……お姉さんをも超える、カイドで1番の究極の魔法使いになることです」
お姉さんは俺の答えを聞いてにっこりと微笑んだ。

「ではウルトンさんにとって究極の魔法使いとは何ですか?」
「え……?」
「ちょっと複雑な質問だったかもしれませんね。
 今は解らなくても、ウルトンさんならいずれ自分だけの答えに辿り着きます。
 知らない土地に行って、いろいろな物をみて、様々な人に出会って、
 そこから自分だけの、大切なものを感じ取るんですよ」
「……わかりました」

最後の助言が終わった。
ああ、これで本当にさよならなんだな。
 
「また、会えますよね?」
 
「ええ、きっと」
 
この人の教えを忘れないようにしよう。
言葉の一つ一つを大切に記憶しておこう。
俺は去っていくお姉さんの背中が見えなくなるまで眺め続けていた。
 
 
 
 
…………ネーム:確認―――――――
 
 
 

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