37.惨

2007年3月4日
―ウルトンと宗徳
 
 
「うおっ!?」
地面が砕ける。宗徳の特大パンチだ。
こいつ、本当に筋肉馬鹿だ。スピードがまるで無い。
まぁ俺も速いほうではないけれど……
 
俺が避けるたびに地面が変形する。【体術】勝負なら相手のほうが上だ。
なら大人しく……
 
「【水魔法:流砲】!」
ランクCだったときより威力もスピードも段違い。
水流は宗徳に正面から激突して、その勢いで崖まで吹き飛ばす。
 
「おいおいおい、その程度かよ!やっぱり衆の……」
「ああ?なんだこの水?てめぇふざけてんのか?」
どうやら筋肉ボディーには水魔法のような殺傷力の低い魔法は効かないようだ。
ちょっとショック。
 
ゴゴゴゴゴ。
突如として瓦礫から水が流れてきて、凍った。何だ?
まぁいい、筋肉馬鹿が油断してる今がチャンスだ。思い知れ。
 
「てめぇよーく見とけよ!
 新ウルトン様の超魔術をな!本邦初公開だ!」
 
(―ここからは工夫で勝負です。
 ―いいですか、よく聞いてくださいね
 
 ―水魔法はどちらかといえば防御系に適した魔法です。
 ―でも他のCランク魔法じゃ対したダメージが与えられない。
 ―そんな時どうすればいいのか?簡単な事です。
 ―『混ぜ』ちゃえばいいんです。)
 
 
両手を重ね、前にかざす。狙うは宗徳!
「清楚、純白、命の源「暗雲、閃光、神の御業 」」

集中しろ。同時に2個の魔法のイメージをつかめ。個別化しろ。
「白紙に戻せ!「身の程を知れ!
【水魔法:―【雷魔法:― ―流砲】!―ライトニング】!」」
 
 
流砲最大出力、一直線に宗徳に飛んでいく。
避ける暇は与えない!
水に充填された電気。そして水によって【雷魔法】の威力がケタ外れに上昇する。

直撃、後
 
 
「ギャアアアアアアアア」
2つの悲鳴が木霊した。
 
 
俺は痺れていた。
「こ、コントロールしきれたと、思ったの、に」
魔法の制御に失敗し雷撃が逆流してしまった。
これで宗徳が無傷だったらシャレにならない。
大の字で寝ている物体を確認。宗徳は、焦げていた。意識はないようだ。
 
 
もし2つの魔法をうまくコントロールしきれていたなら
奴の惨敗、俺の圧勝だったのは間違いない。
なにはともあれ初勝利だ!

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