自信たっぷりに説明するもんだから人数分あるかと思ってたのに一人分しかなかった。
正直すごく動きにくい。
ネックレスは鎖を強引に広げて二人で、
花傘はもちろん相合傘だがこんな気色悪い傘どう見ても愛の欠片も無い。
しかも【水衣】を使っているので見た目もものすごい。
まぁ他人からは石ころネックレスのおかげで見えないみたいだけど……
蛸靴は俺が履いている。本当は履きたくなかったがお姉さんの押しの強さに負けた。
ぬめぬめしてる。気持ち悪い。

そんなことは一切気にせずお姉さんが解説をし始める。
「ここはシムシ側の戦地への補給路、といったところでしょうか。
 秘密の抜け道ですね」 

確かに大勢がたくさん通れる道ではないし、戦地には向いていないだろう。
「だいぶ低い場所ですね、ここ。
 ほら、天辺があんな高い位置にあります。
 あ、上から石ころが落ちてきましたよ」

石―――?
 
 
 
いや
 
 
 
 
岩石!? 

「ちょちょちょちょ 逃げ 逃げ逃げ」
「え?何ですか?傘が邪魔でよく見えないんですけど」
「上から岩石が落ちてきてんだよこのクソアマ!!!!」

岩石は10m程、道ぎりぎりの大きさだろう。
走ればなんとか直撃を受けなくてすむ!
だが走り出した俺の体は急停止した。
そう、ネックレスでつながった状況を飲み込めてない女のせいだ。
 
 
 
 
岩石が迫る、周辺がすべて影で覆われる。
 
だめだ、避けられな――――バクンッ
 
奇妙な音がしただけで衝撃は無かった。
恐る恐る上空を見上げてみると、なんと花が咲いていた。
(―これはなんとですね!ずっと使っているとなんと花が咲くんですよ!!)

花傘の花が岩石を食った?

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