21.風

2007年2月28日
『王の間レース』の記録が最初の階段に更新されたとき、ついに俺の【体術:C】が戻ってきた。
しかしこいつら相当暇なんだろうか。律儀に俺の相手をしてくれる。顔見知りも出来てしまった。

王の間レースが終わった後は自由に城の中を歩き回る事が出来た。
全く持ってアトラ様々だ。王の権力はものすごい。
 
今日は雷魔法のイメージが掴みにくいのでクサモチに会いに行く予定だった。
まともに教えてくれるとは思えないが。
 
 
「ん?」
クサモチが廊下を歩いていた。あいつにしては珍しい、多少早足だ。
向かう先は王の間、今日は見張りの当番じゃなかったのか?……さぼりか?
 
……ちょうどいい、【ゼロ:B】を実戦で試すときだ。
いくらクサモチと言えども魔力を封じられたら赤子も同然。
今までの恨み、晴らしてやる。
 
隙だらけだ、気取られないように近づく。
後ろから首を両手で掴んだ、瞬間、
 
クサモチの体から、シュウッという短い音とつむじ風が発生した。
 
 
しかし
そこに立っていたのは もう、クサモチではなかった。
 
 
「ぐへへ、なんだおめぇ、さっきから後ろでコソコソやってると思ったら
 オラの【なりすまし】を解くとはなかなかやるじゃねぇか、ぐへへへへ。
 そんでよぉ、覚悟はできてるのかぁ?」

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