19.急
2007年2月27日フォロッサ城入り口に到着。
ご丁寧に門番が要る。
一人は鎧をつけた戦士、一人はローブを着ているので魔法使いだろう。両方とも基本的に線が細い。
ここはカイドだ。衆のような肉体派ばかりではないんだろう。
ま、俺にはこの手紙があるからな。
「おい、俺はアトラの客だ。読め」
ローブの男に手紙を手渡す。
胡散臭そうに見ていた男の顔が、手紙を見た途端に険しくなった。
間一髪
急に放たれた炎を避ける。
態勢を立て直した時にはもう遅かった。鎧の男の拳が迫る。
―――
そのまま羽交い絞めにされた俺は巨大な門の前に連れていかれ、部屋に投げ込まれた。
「てめーどういうつもりだ、アトラ!」
見上げる先、王の間で優雅に(格好は奇妙奇天烈だったが)笑っているアトラ。
「フォロッサ城の兵士に捕まらずに儂の部屋に来れるか、楽しいゲームじゃろ?
初回は3秒じゃな、記録しておこう」
「ふざけんなよ!嫌がらせのために呼んだのか!?」
「いやいや……お前の可能性が見たくてな。
ヤミハル、クサモチでてきてよいぞ。」
柱から全身鎧で覆われた男とドラゴン(どこにいたんだ?)と
エメラルドグリーンの髪で顔前面が覆われたいかにも根暗そうな男が出てきた。
ドラゴンのほうは前アトラを迎えに来た奴と同じだ。
「こいつらはカイドでも5本の指に入る使い手でな、
今日はこいつらと模擬戦をやってもらう。
図書館以外での貴重な経験じゃ、実戦から学ぶものも多かろう。」
アトラは儂の余興にもなるしな、と付け足した。この野郎。
「まずは、俺から。……はぁ。」
鎧男のほうが前に歩み出る。
ドラゴンのほうは確かに脅威だが、こいつ自体はそんなに対したことなさそうだ。
「全く……王の気まぐれといったら……」
「こんな……へぼ……はぁ……」
なんかぶつぶつ言ってんですけど。
「俺に一発でも攻撃を当てることが出来たら、お前の勝ちにしてやる。さっさと来い。」
な に さ ま だ ?
「そのトカゲがいなけりゃ何もできねぇクズの癖してなめてんじゃねえぞ!!」
さっきまで気合の欠片も入ってなかったヤミハルの体から負のオーラが出てきてしまった気がした。
「トカゲ……だと?」
「お前のような下衆とこの子を戦わせたらこの子が穢れる。
俺だけで十分だ。来い。」
その兜脱がして絶対ぶん殴ってやる。
兜で視覚になっている側面へ回り込む。
こんな重そうな鎧を着てるんだ、反応できるわけ……
身のこなしが軽い!?
ヤミハルは拳を極少ない動作で避け、腕を掴み、俺を床に叩きつけた。
「ぐふぇっ」
「はぁ……【体術:C】以下か……」
「体術は鍛えておいたほうが良い。
いくら魔法が強くても身のこなしがヘボだったり敵の攻撃を凌ぐ方法を知らなかったら
接近戦に持ち込まれたら終わりだ。
……どこぞの魔法使いのようになるぞ。」
「以上だ。」
敗北感……負けた上に助言された 悔しい!
「次はてめえだこの根暗やろおおおおおおおお!」
クサモチとやらに急襲。我ながら情けない。
「……近づかれる前に……殺す……」
雷撃
気づくと俺は『またいつでも来い』という手紙と一緒に道に転がっていた。
ご丁寧に門番が要る。
一人は鎧をつけた戦士、一人はローブを着ているので魔法使いだろう。両方とも基本的に線が細い。
ここはカイドだ。衆のような肉体派ばかりではないんだろう。
ま、俺にはこの手紙があるからな。
「おい、俺はアトラの客だ。読め」
ローブの男に手紙を手渡す。
胡散臭そうに見ていた男の顔が、手紙を見た途端に険しくなった。
間一髪
急に放たれた炎を避ける。
態勢を立て直した時にはもう遅かった。鎧の男の拳が迫る。
―――
そのまま羽交い絞めにされた俺は巨大な門の前に連れていかれ、部屋に投げ込まれた。
「てめーどういうつもりだ、アトラ!」
見上げる先、王の間で優雅に(格好は奇妙奇天烈だったが)笑っているアトラ。
「フォロッサ城の兵士に捕まらずに儂の部屋に来れるか、楽しいゲームじゃろ?
初回は3秒じゃな、記録しておこう」
「ふざけんなよ!嫌がらせのために呼んだのか!?」
「いやいや……お前の可能性が見たくてな。
ヤミハル、クサモチでてきてよいぞ。」
柱から全身鎧で覆われた男とドラゴン(どこにいたんだ?)と
エメラルドグリーンの髪で顔前面が覆われたいかにも根暗そうな男が出てきた。
ドラゴンのほうは前アトラを迎えに来た奴と同じだ。
「こいつらはカイドでも5本の指に入る使い手でな、
今日はこいつらと模擬戦をやってもらう。
図書館以外での貴重な経験じゃ、実戦から学ぶものも多かろう。」
アトラは儂の余興にもなるしな、と付け足した。この野郎。
「まずは、俺から。……はぁ。」
鎧男のほうが前に歩み出る。
ドラゴンのほうは確かに脅威だが、こいつ自体はそんなに対したことなさそうだ。
「全く……王の気まぐれといったら……」
「こんな……へぼ……はぁ……」
なんかぶつぶつ言ってんですけど。
「俺に一発でも攻撃を当てることが出来たら、お前の勝ちにしてやる。さっさと来い。」
な に さ ま だ ?
「そのトカゲがいなけりゃ何もできねぇクズの癖してなめてんじゃねえぞ!!」
さっきまで気合の欠片も入ってなかったヤミハルの体から負のオーラが出てきてしまった気がした。
「トカゲ……だと?」
「お前のような下衆とこの子を戦わせたらこの子が穢れる。
俺だけで十分だ。来い。」
その兜脱がして絶対ぶん殴ってやる。
兜で視覚になっている側面へ回り込む。
こんな重そうな鎧を着てるんだ、反応できるわけ……
身のこなしが軽い!?
ヤミハルは拳を極少ない動作で避け、腕を掴み、俺を床に叩きつけた。
「ぐふぇっ」
「はぁ……【体術:C】以下か……」
「体術は鍛えておいたほうが良い。
いくら魔法が強くても身のこなしがヘボだったり敵の攻撃を凌ぐ方法を知らなかったら
接近戦に持ち込まれたら終わりだ。
……どこぞの魔法使いのようになるぞ。」
「以上だ。」
敗北感……負けた上に助言された 悔しい!
「次はてめえだこの根暗やろおおおおおおおお!」
クサモチとやらに急襲。我ながら情けない。
「……近づかれる前に……殺す……」
雷撃
気づくと俺は『またいつでも来い』という手紙と一緒に道に転がっていた。
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