17.迎

2007年2月27日
「ここにいらしたんですか、アトラ様」
俺たちの前に突如としてブラックドラゴンが舞い降りた。
ドラゴンテイマーというやつなんだろう。カイドではそう珍しくないのか通行人も驚かない。
 
「まったく……、ちょっとは王の座に座っていてください。帰りますよ。」
全身黒い鱗の鎧で覆われてて顔は見えないがカイド国の兵士のようだ。
アトラのお迎え、と言ったところだろう。
 
「どうやらお別れじゃな。楽しかったぞ。」
屈託なく笑いながらアトラは言う。本当にこういう表情ばかりだ。
 
「おう、俺もな。お前は良い奴だったぜアトラ。」
ドラゴン野郎が俺のことをにらんだ気がしたが、何せ顔が見えない。気にしない。
 
ブラックドラゴンはアトラを乗せて高くそびえ立つフォロッサ城の頂上へと飛び去っていった。
 
さて、まともな格好の服を買わなきゃ……
 
 
 
 
―再び魔法訓練所
買った服は安かったので防寒性はあまりよくないが町を歩く分には十分だ。
プラス「ポッカポカイロ君」を買った。微弱だが暖かい。
俺はその足でまた魔法訓練所に向かうことにした。

「おかしいですね……さっきは確かに素質0の判定がでたはずなんですが……
 一般人より低いレベルですが、確かに、魔法を理解する素質はあります。
 ……おめでとうございます。カイドでたくさん魔法を自分のものにしてください。」

係員のねーちゃんが言うにはこのレベルで魔法を習得するにはとても苦労するという。
やってやるさ!
基礎を勉強するにはフォロッサ大図書館がいいと教えてもらった。
なんでもほぼ全ての魔法書はここにそろっているとか。その上深部には謎が多く危険らしい。

フォロッサ大図書館はフォロッサの建物の中で一番でかかった。
大半が地下に埋まっているみたいだが。
流石大図書館というだけあって受け付け自体が広い。
建物の中も奥が見えない。魔法でもかかってるのだろうか。

「あの、超魔法についてかかれている文献はありませんか?」
なるべくタイプの受付のお姉さんに聞く。
「あ、はい!
 初心者のための魔法講座の本シリーズなら向かって左側のコーナーですね!」

「い、いや、あの、俺は」

「がんばって魔法を覚えてくださいね!フォロッサ大図書館はいつでもあなたの味方です!」

なにこの人……
 
 
 

  
「魔法の基礎は、その魔法を頭の中でイメージすることが大切です、なるほど……
 例えば炎系の魔法なら、火をイメージする、ということになります、ふむふむ……
 例えば炎系の魔法なら あ、おんなじとこよんだクソ
 同属性の魔法には何種類もあります。その魔法をどのように使い分けるのか。
 その魔法というのが具体的に理解できるようになって初めて使う事ができるのです。 
 魔法詠唱もその区別の一つで、イメージを膨らませ同時に個別化することに役立ちます。
 え?なんだって? イメージを膨らませて同時に個別化。
 あの、ちょっといいですか?え?さっきからぶつぶつうるさい黙れだと?なんだとてめー
 あ、いやなんでもないです。えっとここの『個別化』って何ですか。
 てめぇええええ俺様を侮辱しやがったなこの
 あ、受付のお姉さん いや違うんです これは いやえっと ちょっとまって!!」

勉強って楽しい!

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