16.三

2007年2月27日
アトラ王?この服装、性格すべてが奇抜な女が?
でも不思議と嘘だという気はしなかった。
こいつが王なら、国民も安心して国を任せられる。
 
 
「そうじゃの。儂の持つ賢者の石を使えば、
 お主に魔法の素質を芽生えさせることぐらいはできるかもしれんのう?」
にやけながら
 
「どうする?お主が望むのなら考えてやってもいいぞ。」
俺の目をまっすぐ見て。
 
でも、俺は
 
 
「嫌だ。」
 
多分声は震えていたと思う。
アトラは表情を変えない。
「お主の望みがかなうんじゃぞ?
 これに頼らなければもうチャンスは無いかも知れん。
 それでもか?」
 
 
「嫌だっ……俺はそんなものには頼らない!
 俺は 俺の 俺自身の力で 魔法を 習得してやる!!!」
 
アトラの、満足そうな顔。
声は震えつづけている。
 
 
そうだ 人だって 空を飛べた。飛行機というものを開発して。
ここは ゲームの世界。 できないことは ない。
不可能を可能にすることだって できるはずだ!!
 
スキルレベルアップ:ゼロ【B】
 
 
 
!!!
確信。

「おいアトラ!そこ動くんじゃねぇぞ!三分程度で戻る!」
店に入る。一番シンプルなのを適当にパクる。
読む。できる。理解、できる。

嬉しさのあまりドアに体当たりして外にでる。肩が痛い。超楽しい。超笑顔。

「おいアトラ!見ろ、この変態女め!
 俺だってなぁ、やればできるんだぞ!?」

「?気でも狂ったか?」

「なに馬鹿いってんだおまえ わかんねぇのか?
 魔法を使ってるんだよ!!確信した!俺はもう素質0じゃない!!」

満開の笑顔で答える俺にアトラはちょっと戸惑っているようだ。

「……どんな魔法じゃ?」

「どんなぶっちょう面でも笑顔になれる魔法」

「……」

「はっはっはー!俺はもう 魔法が使えるんだ!!!」
通行人から奇異の目で見られる。気にしない!俺は俺の道へいける!!
正直今楽しいから笑顔なのか魔法が使えてるのか、判別できないだろう。
でも確かにそこには確信があった。
 
 
 
 
 
 
暫く雪の上で転げまわりながら一笑いして、立ち上がる。
アトラは多少呆れていたがそこにいた。お前は良い奴だよ。

「落ち着いたかの?」

「おうよ、ウルトン様絶好調よ。
 ところでアトラ、スキル【ゼロ】ってなんだ?
 さっきレベルアップしたみたいなんだけど、これが魔法が使えるようになった原因か?
 以前スキル:確認したときはこんなもの無かったはずなんだが……」

「儂も詳しくは知らんが、隠しスキルの一種だろう。
 スキル:確認:ゼロ と思い浮かべてみるんじゃな。

言われたとおりに思い浮かべてみる。
「うお!まじだ!でたでた!すげー!」

ふとここで違和感、スキル:確認を実行

「あれ、【体術:C】なくなってんだけど……

「スキル【ゼロ】とやらの副作用かの?

「……まじで?
 
 
しれっと言ってくれる。こいつはほんとに……

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