5．初戦闘

だいぶ歩いた気がする。
ビストの集落の端っこぐらいまで来たんじゃないだろうか。

後ろからぞろぞろと周りで俺の暴言を聞いていた人たちまでついてきている。
これはアレだろうか　集団リンチというやつをする予定なんだろうか。
そりゃ俺が悪かったけどさ……

「あのー一体どこまで……」

「チッ」
舌打ちと同時に顔をぶん殴られた。
吹き飛ぶ　転がる　木にぶつかる　の3連コンボが決まった。
「ゴホッガホッ　いってえな！てめーなにし　うぐ」
言い終わらないうちに口をわしづかみにされる。痛い痛い痛い痛い！

「衆を馬鹿にすることは許さない。私の手で昇天させてやる」
そのまま投げ飛ばされる。
今度はなんとか受身が取れた。
野次馬共が俺の無様な姿をせせら笑っているのが見えた。
このまま殺されるわけにはいかない。
まだ何にも楽しんでないのに！

態勢を立て直す。丸腰相手だ。もしかしたらどうにかなるかもしれない。
ショートソードは――
　　ログインした草原で
　　　　（「何で初期武器がショートソード！？
　　　　　魔法には要らないし重いから捨てよう」）

「がはっ！」
腹へのストレート。思わず膝をつく。
顔に激痛が走る。ひざ　げり？
反動で仰向けに倒れる。続けざまに顔に激痛。暖かい物が流れる。
2撃目　3撃目　4撃目　5……

野次馬たちが満足な笑みを浮かべてさっていくの　が　見え　　　
…